質問
Q01  YAGって何のことですか?
Q02  YAGレーザーとCOレーザーの違いを教えてください。
Q03  YAGレーザーはTig溶接みたいな二次加工は必要ないのですか?
Q04  レーザー光線は危険といわれていますが、それを手で持って大丈夫ですか?
Q05  ランニングコストはどれくらいかかりますか?
Q06  切断はできないのですか?
Q07  どのような業種で使われてますか?
Q08  ワークの隙間はどれくらいまで許容できますか?
Q09  溶接できるものとできないものは?
Q10  ロボットなど自動機にも搭載できますか?
Q11  何か特別な技術が必要ですか?
Q12  板材の裏側に部品を溶接しても表に焼けや溶接ひずみを出したくないのですが。
Q13  CW発振とパルス発振ではどのような違いがありますか?
Q14  サンプル品の加工はしてもらえますか?
Q15  取り扱いは簡単ですか?
Q16  溶接ビードがへこむ場合は?
Q17  消耗品はどんなものがありますか?

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Q01 YAGって何のことですか?
Yttrium(イットリウム)、Aluminum(アルミニウム)、Garnet(ガーネット)で構成された結晶体で、その頭文字をとってYAG(ヤグ)と呼んでいます。正確には”Nd:YAG”と表現し、YAGの母体結晶中にNd(ネオジウム)を混ぜたものをレーザー媒体として発振するものをYAGレーザーといいます。

Q02 YAGレーザーとCOレーザーの違いを教えてください。
YAGレーザーはレーザー媒体が結晶体で固体レーザーに属し、エネルギー源(ポンピング源)として励起ランプや半導体レーザーが使われ、発進波長は1.06μmです。COレーザーはCO、N、Heの混合ガスを放電させて励起、発振させるもので気体レーザーに属し、発振波長はYAGの10倍の10.6μmです。
ともに大出力が得られ、各種加工分野に幅広く使われています。一般的にその波長の違いから対物吸収率が異なり、YAGレーザーは各種金属の溶接・切断に、COレーザーは各種金属の切断やアクリル等の樹脂系の切断に適します。

Q03 YAGレーザーはTig溶接みたいな二次加工の必要はないのですか?
YAGレーザー溶接はきわめて熱歪や焼けの少ない溶接ができ、Tig溶接後の歪取りや焼け取り等の二次加工はほとんど不要です。ただし、レーザー溶接は急熱急冷のため比較的はっきりしたビード(うろこ模様)が形成されます。それを嫌う場合は研磨等の工程が必要になります。また溶接部のへこみを嫌う場合は、肉盛りが必要になりその研磨工程が増えます。
YAGレーザーとTigのそれぞれの長所を使い分けて溶接するのが理想的で歪や焼けを出したくない部分をYAGレーザーで溶接し、Tig溶接で要所に強度を持たせることもひとつの方法です。

Q04 レーザー光線は危険といわれていますが、それを手で持って大丈夫ですか?
充分な安全回路(保護めがねをかける→トーチの先端をワークに接触→トーチスイッチを押す)が施されており、
反射光やワークの隙間から洩れた光に注意していただければ安全です。

Q05 ランニングコストはどれくらいかかりますか?
消耗品を標準時間で交換した場合の一般的なランニングコストはPLS−P30タイプで16.7円/分、
PLS−P40タイプで19.5円/分です。

Q06 切断はできないのですか?
アシストガスとアシストノズルを切断用に交換するだけですぐに切断作業に移れます。勿論ハンドワークで出来ますが、自動機(ロボットなど)に搭載するとより能力を発揮します。

Q07 どのような業種で使われてますか?
主に金属を対象として溶接では半導体関係、制御ボックス、工作機械カバー、食料機械関連、医療器関連、
建築金物、看板、装飾品関連など。切断ではプレス品のトリミング、パイプの穴あけ、製品完成後の
オプションホール、その他試作板金などで使われています。

Q08 ワークの隙間はどれくらいまで許容できますか?
板厚が薄いほど隙間の許容範囲は小さくなりますが、おおよそ板厚の10〜15%以下と考えてください。

Q09 溶接できるものとできないものは?
YAGレーザー光の波長(1.06μm)に対して吸収率の高いものほど溶接しやすいです。金属では、鉄、ステンレス、チタン、ニッケルなど溶接できますが、反射率の高い金、銀、銅、黄銅などは難しいです。またアルミなどはSRY−45Pでは溶接が可能です。

Q10 ロボットなど自動機にも搭載できますか?
ロボットにウエルペン・レーザートーチ用のホルダーを取り付けていただき、インターフェース用リードを用意していただければ可能です。この場合ウエルペン・レーザーはロボットからの指令により動作いたします(ウエルペンレーザー側のインターフェース用コネクターは標準装備)。

Q11 何か特別な技術が必要ですか?
特に免許等は必要ありませんが、納入時に現場で労働省通達に基づいた「安全教育」をさせていただきます。

Q12 板材の裏側に部品を溶接しても表に焼けや溶接ひずみを出したくないのですが。
基になる板材の厚みにもよりますが、完全にゼロという訳にはいきません。でもTig溶接と比べれば格段の差があります。

Q13 CW発振とパルス発振ではどのような違いがありますか?
CW発振とは連続波発振のことで、時間に関係なく連続して一定の出力でレーザーが発振されています。対してパルス発振は不連続で時間的に飛び飛びにレーザーが発振されるものでピーク出力が高くなります。従って一般的にCW発振のレーザーは薄板の高速溶接・切断に適し、パルス発振では比較的厚板の溶接・切断に適していますが、パルス発振はCW発振に比べ速度は遅くなります。
ウエルペン・レーザーはパルス発振です。

Q14 サンプル品の加工はしてもらえますか?
基本的には無償でサンプル加工させて頂いておりますが、複雑な形状物あるいは治具を必要とするものや多数量の場合には有償とさせて頂くこともあります。
ご希望があれば溶接サンプルをお送りいたします。
溶接サンプルのご請求はここをクリック

Q15 取り扱いは簡単ですか?
Tig溶接のように電極先端をワークから浮かして一定に保つ必要がなくレーザートーチ先端のチップをワークに接触させて使うので溶接経験のない方でもだいたい一日練習すれば使えるようになります。切断の場合も溶接と同様にチップをワークに接触させて使うので手ぶれのない切断加工が容易に行えます。
また溶接条件はワークに適したチップの選択とパルス数、レーザー出力の選択を行う事により即座に加工作業に移れます。

Q16 溶接ビードがへこむ場合は?
肉盛り溶接用ワイヤー送給装置(オプション)をご使用頂けば大体へこみを無くすことが出来ます。ただしワーク精度が悪い(シャーリングによるダレが大きいなど)場合は難しいです。

Q17 消耗品はどんなものがありますか?
エネルギー源としての励起ランプ、冷却水水質維持に必要なフィルター、デオナイザー(イオン交換樹脂)、アシストガスが主な消耗品となりますが、その他に集光レンズをスパッターから守るレンズ保護プレートやトーチ先端のカーボンチップも対象になります。